Gallery SUGATA Exhibition Vol.127
山ノ瀬亮胤 展
無限遠
- 見える音、聞こえるかたち-
KYOTO:9.30 SAT. - 10.22 SUN.
11:00 - 18:00
月火定休
9.30はニュイ・ブランシュKYOTO23のための夜間特別公開 11:00 - 19:00
入場料:500円 ※9.30のみ無料
後援 大阪府日本万国博覧会記念公園事務局 日本バシェ協会 協力 京都市立芸術大学 京都建築専門校
BASCHET・音響彫刻 –あらゆる音を、区別することなくい躯体を打ち震わせながら、高らかに発出する姿は、まるで人への無条件な賛美を表すかのようだ。
その筐体は簡素な技術で出来ていて、産み落とされたばかりの原初の姿のようである。
本展ではバシェが試みた”聴覚”へのアプローチにコンビネーションを図りながら、山ノ瀬の”視覚”からのアプローチをインスターションする。
ギャラリーに差し込む光が刻の移ろいを指し示し、その中で山ノ瀬のインスタレーションは、バシェと自らの作品を連結し、やがて共振する。
聴覚とともに重要な知覚としての”視覚”も焦点を当て、私たちが持つ「見ること」への 既成的な概念を突き崩す試みだ。
バシェの“音響彫刻”(*注)と出逢った山ノ瀬は、その直ちに楽器とは思われないほどの大きさと造形、有機的な動作、多彩な音とその音圧に感銘を覚えた。
伝統的な楽器は幾世代もかけて音と形を洗練させてきた。しかしここにあるバシェの音響彫刻の発する音はどこから来たものなのか。多様な音はどこか懐かしく愛おしささえ覚える。山ノ瀬が着目したのは制作技術だった。バシェは簡素な技術で作られたからこそ、あらゆる音を拾い上げ圧倒的な力で音を開放する。
そうしたものづくりの音の関係からこの作品を読み解く時、山ノ瀬は共感し、自身の制作との共通性を確信した。高度化された技術は、やがて制作の自由を制約するとして、山ノ瀬もあえて汎用的な工具を用いている。頼るのは手に覚えた技術のみ。
そして注文のためにアトリエを訪れる顧客が具体的な「ものさし」になり、その時の触れ合いこそが、山ノ瀬にとってはコミュニケーションの原点だった。
造形の基点にいつも「人」がいる山ノ瀬の仕事は、まさに人への信頼を形にするということなのだ。バシェの音の行き着く先にある豊かさを造形工作から読み取るとき、山ノ瀬は自身の制作との共通性を見出して共感する。
本展では、日本万国博覧会記念公園が所有し、京都市芸術大学において保存するバシェの音響彫刻《桂フォーン》をお借りし会場に設置した。
貴重な芸術作品の筐体は大きく、搬出入も困難ながら、関係機関、諸氏のご協力を得て実現した。
(*注)BASCHET
「バシェの音楽彫刻」はベルナール・バシェ(1917-2015)、フランソワ・バシェ(1920-2014)の兄弟によって考案された音の鳴るオブジェである。1970年の大阪万博において、鉄鋼館のディレクターであった作曲家・武満徹から作品制作を依頼されたフランソワ・バシェは、来日して17基の音響彫刻を作った。万博閉幕後に解体され、保管されたバシェ17基は現在6基が修復・復元され、本展では2015年に京都市立芸術大学で修復・復元された《桂フォーン》をギャラリースガタに設置展示する。
プロフィール
山ノ瀬亮胤(七世)Ryoin Yamanose Ⅶ
京都市上京区在住。江戸金枠名跡山ノ瀬亮胤(七世)承継。
眼鏡製作者・現代美術家・ソシエテヌーベルリュネト視覚研究所所長。芸術〜工芸に拡がる独自分野の構築で国内外より評価され、2009年には欧州ハプスブルク家御用達となる。マスメディアの出演・取材多数。豊かな江戸庶民文化と職人の心を紹介する。
2021年度京都デザイン賞において「梅輪の和眼鏡」が京都市長を受賞した。
【関連イベント】
【Nuit Blanche Kyoto】
アートを知る オープニングイベント 9/30(土) 入場無料
11:00 会場
16:00 - 18:00 レセプション・ギャラリートーク
18:00 - 19:00 夜間特別公開/ニュイ・ブランシュKYOTO 2023参加プログラム
【アートを聴く バシェ/冬の花・ミニコンサート 10/8(日) 13:30開演】
会場に設置したバシェ音響彫刻“桂フォーン”と、京都市立芸大でバシェ音響彫刻の構造を踏襲し制作された楽器“冬の花”のミニコンサート。
バシェ奏者の第一人者である沢田譲治氏・岡田加津子氏によるアンサンブル。
※コンサート演奏後に山ノ瀬と岡田加津子氏によるミニトークセッションを予定しています。
参加対象:中学生以上 参加費:会場入場料500円のみ・要予約
−予約要領− イベント申し込み先/Mailにてご予約・お問い合わせください。
お電話でのお問い合わせは075-253-0112(ギャラリースガタ)
①ご参加ご希望のイベント名 ②お名前 ③人数 ④ご連絡先電話番号 を記載の上、info@su-ga-ta.jpまでお申し込みください。
【アートになる 10/14(土)・15(日) 12:00〜17:00(終了予定18:00)】
NHK美の壷にて採用)の制作を担当したフォトグラファー・宇津木健司氏による貴方の為の撮影会。
展示作品を身に着けて、ギャラリー空間で作品と一体になる今までに無いスタイリッシュなポートレート撮影プログラム。
画像データをお渡しするので使い方は貴方次第です。
6名様限定 料金:10,000円(税込) ※要予約/先着順受付
photo@kenjiutsugi.com(宇津木)まで。
【アートを着る】
山ノ瀬作品をTシャツにプリントしました。本展のためにデザインされ、一枚一枚が異なる二つと無い特別仕立てです。会場となるギャラリーだけで販売します。限定30着(エディションNo 入り・無くなり次第終了)
メンズ/レディス 19,800円(税込)
【アートを語る クロージングイベント 山ノ瀬亮胤×山科言親スペシャルトークセッション 10/22(日)13:30開演】
現代の美の表現も、過去から誘われ、未来へ継ぐものの間にあります。
有職故実を現代に伝える山科言親氏と、目鏡史にものづくりの道筋を見出す山ノ瀬が語り合う、本展に相応らしいまとめイベント。
山科言親(やましな ときちか)衣紋道山科流30代家元後嗣
山ノ瀬亮胤(やまのせ りょういん)江戸金枠七世名跡
開演13:30(終了予定14:45) 参加対象:中学生以上 参加費:会場入場料のみ500円・要予約
−予約要領− イベント申し込み先/Mailにてご予約・お問い合わせください。
お電話でのお問い合わせは075-253-0112(ギャラリースガタ)
① ご参加ご希望のイベント名 ②お名前 ③人数 ④ご連絡先電話番号 を記載の上、info@su-ga-ta.jpまでお申し込みください。